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寿命が伸びる「病院のかかり方」

大病を患えば、誰しも「いい病院」にかかりたいと思うのが人情というもの。では、いい病院とは具体的にどのようなものを指すのか?

質の高い医療を支えるのは1人の名医ではなくチーム

 

 メディアにしばしば登場する有名医師や、名医と呼ばれるような人たちの存在も、彼らが所属する病院の評判を押し上げている。だが、これも誤解に基づいていることが多いという。

「質の高い医療というのは1人の医師だけではなく、チームで行われるもの。従って、有名医師=いい病院ではありません。有名な外科医が別の病院に移って、医療事故が相次いだ報道がありましたが、これなどは新しい病院で優れたチームを結成できなかったことが原因ではないでしょうか。1人の『神の手』ではどうにもならないのです」。

 とはいえ、いい病院が医師の質に支えられているのは間違いない。
「医師の質という点では、治療の見通しや悪い情報をしっかり説明しなかったり、焦らせるように患者に決断を迫ったりするような医師はダメですね。患者としては入院期間や治療の内容、治療のオプションと双方の一長一短、可能な範囲での具体的な数値、予後についてなどの説明があったか、同意事項の撤回が可能か、といった点をチェックして、医師の良し悪しを見極める目を持つべきでしょう」。

 いい病院と医師を選ぶには、患者側のリテラシーも求められているのだ。

取材・文/牧 隆文 イラスト/植本 勇

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小林 修三

こばやし しゅうぞう

湘南鎌倉総合病院

副院長

1955年、大阪市出身。浜松医科大学大学院卒業後、同大学第一内科入局。浜松赤十字病院勤務、NTT伊豆逓信病院内科部長などを経て現職。著書に『間違いだらけの病院選び』(PHP)など。

 


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